30年以上経ったお住まいで、「1階の床がブヨブヨしている」「歩くと沈むような感じがする」といったご相談をよくいただきます。

こうした症状は床下が「土」のままになっているお宅でよく見られます。床下が土の場合、地面からの湿気が上がりやすく、床の木材が長年湿気を吸ってしまうことが原因です。

昔の住宅では、現在のように床下に防湿シートを敷いたり、コンクリートを施工(べた基礎）したりすることが少なく、床の下に施工されている材料もベニヤなど湿気に弱い材料が使われていることが多くありました。そのため、長い年月の間に床が柔らかくなってしまうのです。

このような場合は、床下の状況を確認し、必要に応じて床下の湿気対策や断熱材を入れる、傷んだ部分の補修を行うことが大切です。

また、床がブヨブヨしている場合でも、床下の「土台」や「根太」がしっかりしていることがあります。そのような場合は、既存の床をすべて剥がして張り替えるよりも、今の床の上に新しいフローリングを重ねて施工する方法をお勧めしています。

この「重ね張り工法」は、床を全面的に解体する必要がないため、工期が短く、費用も抑えられるのが大きなメリットです。また、新しいフローリング材を重ねることで床がより丈夫になり、見た目も美しく生まれ変わります。断熱性や防音性が向上する場合もあり、快適さの面でも効果があります。